
Q: 2026年10月から「106万円の壁」の月収基準がなくなったと聞きました…!手取りが減るくらいなら、シフトを週19時間に削って扶養内に留まった方がお得ですか?

A: パート代からの社会保険料天引きは家計にとって大打撃ですし、焦る気持ちは本当によくわかります…!ただ、慌てて「週19時間に削る」と決めてしまう前に、残っている加入要件や会社が折半してくれる公的補償の中身を冷静に電卓で確認してみませんか?
2026年10月に入り、パート先やママ友の間で「社会保険の加入条件が変わったらしい」という話題が一気に増えましたね。
たまの近況報告ランチでも、子どもが小学校高学年〜中高生くらいになった私のママ友たちが「手取りが減るくらいなら、とりあえず目先のシフトを週19時間に削ろうかな…でもこの先どうしよう」とリアルに頭を抱えています。
パートで働くママ友たちにとって、手取りが月1万円以上減るのって「お給料の丸々1〜2ヶ月分が消える」ような大きなインパクト。そりゃあ「働き損じゃない?」「勘弁して!」と叫びたくなるのも当然です。
ネットやSNSを見ると「とにかく週19時間以内に抑えて扶養内を死守しよう!」というアドバイスも目立ちますが、慌てて時間を削ることが誰にとっても正解とは限りません。
そもそも「106万円の壁」とは、社会保険加入の賃金要件(月額8.8万円以上)を年収換算で呼んでいた通称です。2026年10月からはこの賃金要件が撤廃されるため、従来の意味での「106万円の壁」はなくなります。
今回は、今回の法改正で実際に何が変わったのか、ア~ンド「週19時間に削る前に絶対に確認しておきたいポイント」を整理しました!
2026年10月「賃金要件の撤廃」で何が変わったの?
結論から言うと、短時間労働者が社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する条件のうち、「所定内賃金が月額8.8万円以上(年収約106万円)」という賃金要件が撤廃されました。
最低賃金が1,016円以上の地域では、週20時間以上働く人は、通常、月額8.8万円以上の水準となったため、賃金要件の実質的な意味が小さくなりました。
ただし、ここで注意したいのは「週20時間以上働けば誰でも全員加入になるわけではない」という点です。
短時間労働者の社会保険加入には、2026年10月時点でも以下のような要件が残っています。
・週の所定労働時間が20時間以上であること(※雇用契約上の時間。一時的な残業は原則含まない)
・学生ではないこと(※休学中など一部例外あり)
・勤務先が、厚生年金保険の被保険者数で常時50人を超える企業等であること(※一般的には「従業員数51人以上の企業」と説明されます。2027年10月からは36人以上へと段階的に縮小予定)
・2か月を超える雇用の見込みがあること
なお、正社員の所定労働時間・日数の4分の3以上で働く場合は、上記のような短時間労働者向けの企業規模要件とは別の基準で社会保険の対象になります。
つまり、「週20時間以上なら誰でも加入」ではなく、「他の要件を満たしている人は、賃金額にかかわらず加入対象になり得る」というのが正確なルールです。
まずはご自身の雇用契約や、お勤め先の被保険者数が対象に当てはまるかどうかを確認してみましょう。
モデルケース:手取りは実際にどれくらい変わる?
もし加入対象となった場合、気になるのが手取りへの影響です。
標準報酬月額が98,000円となる給与水準(40歳未満・東京都の協会けんぽに加入と仮定)のモデルケースで試算してみると、以下のようになります。
| 項目 | 月額の目安 | 年間の目安 |
|---|---|---|
| 健康保険料(本人負担分) | 約4,827円 | 約5.8万円 |
| 厚生年金保険料(本人負担分) | 約8,967円 | 約10.8万円 |
| 社会保険料 合計(本人負担分) | 約13,794円 | 約16.6万円 |
このモデルケースでは、健康保険料と厚生年金保険料の本人負担分として、毎月約1.38万円、年間で約16.6万円前後が給与から控除される想定です。
※雇用保険料、所得税、住民税、介護保険料(40歳以上)の有無などは別途変動します。また、お住まいの都道府県や加入する健康保険組合、実際の標準報酬月額の等級によっても保険料額は異なります。
家計への影響が大きいことは間違いありません。

だからこそ、「手取りが減るからシフトを削る」と即断する前に、天引きされる保険料によってどんな保障が得られるのかを天秤にかける必要があります。
週19時間に削る前に確認したい!社会保険の「3つの現実」
「手取りが減るなら週19時間に抑えたい」と考えるのは自然な防衛反応ですが、必ずしもそれが最善策とは言えない理由もあります。
確認①:時給アップの恩恵と家庭のリアルな事情
パート時給や最低賃金が上昇している現在、シフトを週19時間未満に制限し続けると、「働く時間と収入の上限を自分で固定してしまう」ことになります。
正直、ズボラで効率重視の私からすると、「手取りが減って働き損になるのが嫌なら、手取りが元に戻る水準までもう少し働く時間を増やしたらいいやん?」なんて電卓を叩きながら思っちゃう部分もあります。
でも、現実はそんな単純な計算通りにいかないのも痛いほどわかるんですよね。
特に小学校低学年くらいの小さいお子さんがいると、「学校から帰ったときにママが家にいないと寂しくて泣いちゃう」とか、「放課後のお友達関係でちょっと大人の見守りや介入が必要」とか、そばにいてあげたい事情って本当にたくさんありますよね。
(ごめん、うちの子たち。母はフルタイム勤務だったからそこまで手厚く見てあげられてなかった!笑 私に似てメンタル強めに育ってくれたのか、文句ひとつ言わずにいてくれてありがとよ…と今さら感謝しています)
だからこそ、単に「手取りが減るから削る」「損しないために無理して時間を増やす」という極端な二者択一ではなく、お子さんの成長フェーズや家庭のキャパと相談しながら決める視点が欠かせません。
また、社会保険上の週20時間要件を避けて週19時間に抑えたとしても、税制上の扶養基準や配偶者の会社の家族手当の支給基準(年収制限など)は別にあるため、「社会保険を避けたからすべて安心」とはならない点にも注意が必要です。
👉 【関連記事】「123万円の壁」で手取りは増える?税金と社会保険、本当の落差を数字で見てみた

確認②:厚生年金と健康保険は「事業主負担(労使折半)」がある
社会保険料(健康保険・厚生年金)は、原則として本人と事業主(会社)が半分ずつ負担します。
個人事業主が全額自己負担する国民健康保険や国民年金とは異なり、会社側の保険料負担があるのは被用者保険ならではの仕組みです。
天引きされる保険料は、医療や年金などの公的保障を受けるための保険料です。支払った額がそのまま本人に現金で返ってくるわけではありませんが、加入によって将来の年金や、病気・けがの際の給付につながります。
また、大手企業やチェーン店では独自の健康保険組合に加入している場合があり、付加給付や人間ドック補助などが用意されていることもあります(※内容は健康保険組合ごとに異なります)。
確認③:将来の年金上乗せと「傷病手当金」のセーフティネット
【老齢厚生年金の上乗せを概算】
配偶者の扶養に入り、第3号被保険者の期間だけで考えると、本人の公的年金は老齢基礎年金が中心です。
厚生年金に加入すると、報酬比例部分がこれに上乗せされます。
たとえば、標準報酬月額をおおむね9万円台として厚生年金に加入し続けた場合、報酬比例部分の目安は「10年加入で年額約6万円程度、20年加入で年額約12万円程度(月約1万円)」の上乗せが一つの試算基準になります。
※この金額は、標準報酬月額を一定とし、現在の年金計算式を単純化して算出した概算です。実際には標準報酬月額の改定、加入月数、再評価率、将来の制度改正などによって変わるため、具体的な試算は「ねんきんネット」等で確認することをおすすめします。受給要件を満たせば、原則として生涯受け取る老齢厚生年金のベースが底上げされます。
👉 【関連記事】【65歳以上の就業者943万人】敬老の日の最新統計に白目!アラフォーワーママが新NISAで「老後の月3万〜5万円」に備える現実的アプローチ

【自分名義の「傷病手当金」】
配偶者の健康保険の被扶養者は、原則として本人向けの「傷病手当金」の対象にはなりません(※高額療養費や障害年金などの別制度は利用可能です)。
一方、自分が健康保険の被保険者として加入していると、業務外の病気やケガで連続して3日間休むと待期が成立し、4日目以降も仕事に就けず、給与の支払いがないなどの要件を満たした日に「傷病手当金」の支給対象になります。
支給額は、原則として支給開始日前12か月間の標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2で、支給開始日から通算して最長1年6か月支給されます。
パートで働くママであっても、自分が病気やケガで長期療養になった際、一定の収入保障が得られる安心感は心強い盾になります。

手取り減のショックを和らげる!家計の見直し&新NISAの備え方
「公的保障が手厚くなるのはわかったけれど、やっぱり毎月1万円以上の手取り減は家計がキツい…」
その通りです。保障が増えるからといって、日々の生活費が苦しくなっては本末転倒ですよね。
そこで、手取りの減少をただ我慢で耐えるのではなく、家計全体をサバイバル仕様に整えるステップを考えてみましょう。
ステップ①:公的保障を確認し、民間保険の重複をチェックする
社会保険に加入すると、厚生年金の上乗せや傷病手当金、初診日に被保険者であり障害等級や保険料納付要件を満たした場合の障害厚生年金など、自分自身の資格に結びつく保障が加わります。
一方、医療費が高額になったときの「高額療養費」は被扶養者でも利用できる制度なので、社会保険加入によって初めて使える制度ではありません。
これらを踏まえ、公的保障でどこまでカバーされるかを確認した上で、加入中の「民間の医療保険や就業不能保険」の保障内容・免責期間・給付条件を見直してみましょう。
公的保障だけでは差額ベッド代や先進医療、長期の収入減を十分にカバーできない場合もあるため解約ありきで考えるのは禁物ですが、保障の重複や家計の余力を確認して整理することで、手取り減の一部を家計内で吸収できるケースもあります。
👉 【関連記事】【高額療養費の上限見直し議論】「自己負担が増えたら医療保険に入るべき?」に投資歴19年ワーママが電卓で出した結論!月5000円の特約を捨てて新NISAで備える現実的防衛術

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「手取りが月1万数千円減る(白目)」と焦る前に、昔なんとなく加入した民間保険の証券をチェックしてみて!公的盾がついた分、ダブっている医療特約などを月5,000円削るだけでも手取り減のダメージをかなり吸収できます。「自分で分厚い約款を比べるのは無理!」という方は、プロに無料で無駄な保険の重複を仕分けしてもらうのが一番手っ取り早いです。
ステップ②:無理のない範囲で「新NISAの少額積立」を検討する
固定費の見直しなどで家計に少しでも余力が生まれたら、月3,000円〜5,000円といった少額から新NISAの積立投資を走らせてみるのも一手です。
たとえば、月5,000円を毎月積み立て、年率5%で複利運用できたと仮定すると、20年後の資産額は約205万円(積立元本120万円+運用益約85万円)という試算になります。
※これは一定の利回りを仮定したシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではありません。株式や投資信託には元本割れのリスクがあります。
公的年金で「長期の生活を支えるベース」を固めつつ、余力資金を新NISAで長期運用に回す。この2本立てで準備を進めることが、将来の物価高や生活費の不足に備える現実的なアプローチになります。
月3,000円〜5,000円からの少額積立なら、100円から始められて楽天ポイントも貯まるネット証券がやっぱりラクちん。家計を見直して浮いた数千円を自動積立に設定しておけば、あとはほったらかしで将来の自分年金のベースを育てていけますよ。
まとめ:条件を書き出して、納得のいく選択を
2026年10月の賃金要件撤廃は、手取りだけを見れば負担増に感じられます。
しかし、「週19時間に抑えるのが絶対に得」とも、「週20時間以上で社会保険に入るのが絶対に得」とも一概には言い切れません。
勤務先の企業規模、配偶者の家族手当の規定、将来の年金への希望、病気への備え、そしてご家庭のライフスタイルによって、最適な答えは一人ひとり異なります。
まずは「自分が加入対象になるのか」「手取りはいくら変わり、どんな保障が増えるのか」をご自身の条件で書き出し、冷静に比較した上でこれからの働き方を選んでいきましょう!
参考資料・公式情報
・厚生労働省:年金社会保険の加入対象の拡大について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00021.html
・日本年金機構:2026(令和8)年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/jigyosho/2026/202610/100104.html
・厚生労働省:「年収の壁」への対応
https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html
・全国健康保険協会(協会けんぽ):病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/
・金融庁:NISA特設ウェブサイト
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/

